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TOANN|ユニットエコノミクス(実数)& 数値で固めた損益分岐

データソース: 運用シート(足元実績・概算)。「LTVの足元の数値感は結論出たとしてよい」とシート内で確認済の足元値を採用。個人情報・契約金額は含めない。 前提分析: scale-strategy.md / concept-and-validation.md


1. 確定インプット(シート足元値)

指標 実数(足元/概算) 出所メモ
本品 限界利益 ¥2,500 / 個 「CPO ÷ 本品限界利益2,500円 = 回収に必要な継続回数」
現状 LTV(限界利益ベース) 約 ¥4,000(うち定期由来 約¥3,500) 「LTVの足元の数値感は結論出たとしてよい」
改善シナリオ LTV 約 ¥5,880(現状比 ≈1.47–1.53倍) 「LTVが4,000円から約5,880円へ底上げ」「約1.5倍に跳ね上がる」
CAC / CPO(定期1件獲得コスト) 約 ¥10,000(実CPAレンジ ¥8,000–12,000、最良CR ¥4,032–6,183) 広告実績
初回/トライアル AOV ¥3,630(クレンジング)/ ¥5,830(美容液) 商品価格
定期 初月継続 約70% 「初月継続が70%ほど」
定期割引 10%開始(15%検討) 運用方針

2. いま何が起きているか ― 赤字構造の可視化

回収に必要な継続回数 = CPO ÷ 本品限界利益 = ¥10,000 ÷ ¥2,500 = 4.0回

状態 LTV(限界利益) 限界利益の回数換算 LTV / CAC 1件あたり損益
現状 ¥4,000 1.6回分 0.40 約 −¥6,000(赤字)
改善シナリオ ¥5,880 2.35回分 0.59 約 −¥4,120(なお赤字)
損益分岐 ¥10,000 4.0回分 1.00 ±0
健全目標 ¥15,000+ 6.0回分 3.00 黒字(D2C健全水準)

結論: 現状は獲得1件ごとに約¥6,000の赤字。 改善シナリオ(LTV 1.5倍)でも損益分岐に届かない。D2Cサブスクの「撤退かスケールか」の谷の、いまは赤字側にいる。

ここが買収の核心リスクであり、同時にくるみが介入して最も価値を出せる一点。LTV/CAC を 0.4 → 1.5+ に持ち上げられるかが、買収の成否そのもの。


3. 黒字化への2レバー(現実は両方を併用)

損益分岐 = LTV(限界利益) ≥ CAC。到達経路は2つ。

レバーA:CAC を下げる

レバーB:LTV を上げる

併用の現実解(推奨ターゲット)

シナリオ CAC LTV LTV/CAC 評価
現状 10,000 4,000 0.40 赤字
Phase 1(分岐) 6,500 6,500 1.00 損益分岐
Phase 2(目標) 6,000 9,000 1.50 健全化
Phase 3(スケール) 6,000 15,000 2.50–3.0 黒字スケール

CACを4割減 × LTVを2倍で LTV/CAC≈1.5。どちらか一方では届かない。くるみの強み(CR/コンテンツ=CAC、ナラティブ/CRM=LTV)は両レバーに同時に効くのが買収シナジーの本質。


4. 数値で固めた Kill Criteria(concept-and-validation.md §6 を数値化)

# 指標 撤退/再設計の閾値
K1 LTV / CAC 介入6ヶ月後も 0.7未満が改善トレンドなく張り付く
K2 思想LP(E1) 引き算LPが従来LPに CPA/CVRで有意に劣後(思想が売れない証明)
K3 平均継続(本品換算) 現状CACでの回収必要4.0回に対し、平均2.0回を恒常的に下回る
K4 CAC低減 最良CR展開でも CACが¥8,000を割れない(敏感特化でReach枯れ)

いずれかが継続的に該当 → スケール投資を止め、ポジショニング/価格/チャネルを再設計。


5. 投資判断に必要な残データ(DDで確定)

注意: 本書の数値は足元の概算であり、確定LTVカーブと原価が入れば Phase 目標とKill閾値を再キャリブレーションすること。


6. 運営費用・資金計画(再生資本上限の根拠 / 2026-06-10 追補)

買い条件②「再生資本に上限」(dd-and-compliance.md §1)の数値根拠。固定費側はD2C標準相場の推定で、実額(CS/物流/カート契約・OEM原価・MOQ)はDD Day-1運営項目で確定する。

月次運営費の内訳(定常)

費目 月額目安 備考
広告費(最大の変動費) ¥150〜600万 フェーズで漸増。現状運用は月¥100〜200万程度(CV数×CPAから逆算)
くるみ側 運営人員 ¥75〜150万 ブランドM+運用 0.5〜1人月(社内機会費用)
創業者リテンション(業務委託) ¥30〜50万 開発・品質ゲート・物語の源泉(買い条件④)
CS/コールセンター委託 ¥10〜30万 D2C特化2社の相場。解約抑止も担う
カート(ecforce)+計測 ¥10〜20万
倉庫保管(3PL固定分) ¥5〜10万 出荷変動費は限界利益¥2,500に込み
薬事チェック・法務顧問 ¥5〜15万 dd-and-compliance.md §2
インフルエンサー/UGC素材 ¥20〜50万 CR制作はくるみAI内製で限界費用ほぼゼロ
固定費 小計(広告以外) ¥155〜325万/月

フェーズ別バーンと総資金需要(キャッシュベース)

フェーズ 期間 広告費/月 月次ネットバーン* 累計
P0 検証(E1/E2) 0〜3ヶ月 ¥150〜200万 ¥250〜400万 ¥750万〜1,200万
P1 回復(LTV/CAC 0.4→1.0) 4〜9ヶ月 ¥300〜400万 ¥200〜350万 +¥1,200万〜2,100万
P2 健全化(→1.5) 10〜18ヶ月 ¥400〜600万 ¥0〜150万 +¥0〜1,350万
一時費用 新SKU初回ロット¥300〜500万/SKU+商標/移行/TSA ¥100〜300万

*ネットバーン=広告費+固定費−当月回収粗利。LTVは6〜12ヶ月かけて回収されるため成長期ほどキャッシュが先行する。

総資金需要(12〜18ヶ月): 約¥3,500万〜6,500万 / 最大損失(Kill発動時): 約¥2,500万〜4,500万 取得価格¥100万に対し、真の投資は運営バーン側に35〜65倍ある。意思決定は「買うか」ではなく「このバーン計画を承認するか」。

運転資金はほぼ誤差(在庫を過大に見積もらない)

費用を膨らませる変数(2つだけ)

  1. CACが下がらない(Kill K4: ¥8,000を割れない)→ P1が伸びてバーン青天井。E1で最良CR水準(¥4,000〜6,000)を再現できれば総額は下限側(¥3,500〜4,500万)に寄る。
  2. OEMのMOQが大きい(在庫が想定超に膨張)→ DD項目⑤で事前確定。